会社 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
年 2025
概要
本プロジェクトでは、候補者から面接可能日を収集し、企業側が効率的に日程を決定できる「面接候補日取得機能」を新規設計しました。
私はUI/UXデザインを独立して担当し、複雑な要件を整理してゼロから新しい体験を形にしました。
動的に変化する画面構成の中で、候補者と企業双方にとって迷いのない快適なUXを実現する必要があった。
課題
フィルタリングや表示モードごとに最適化した情報設計と、ログイン不要で直感的に回答できる体験を設計。
解決策
成果
・操作ミスを約60%削減
・社内レビューでも80%以上が「分か りやすいUI」と評価
コンテクスト
近年、採用活動の効率化が求められる中で、企業の人事担当者は候補者との面接日程調整に多くの時間を費やしています。
既存の人事システム「タレントパレット」には、「スケジュール」「面接設定」「空き時間設定」といった機能があるものの、候補者の日程を自動で収集・反映する仕組みが存在せず、手作業で管理している状況でした。

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手動登録
その結果、候補者数が増えるほど作業効率が低下し、登録ミスや重複、確認漏れなどの運用リスクが発生していました。
現状の課題
候補者の面接可能時間を手動で管理しており、作業効率が低下。
手動登録による作業負担
候補者数が多い場合、日程の重複や確認漏れが発生しやすい。
候補者増加による管理の複雑化
現在の状態を把握しにくいUI設計
企業が「今どの状態か」を把握しにくく、迷いが生じる。
目的
面接日程の収集と管理を自動化、可視化し、業務効率を向上
候補者と企業の双方にとって、迷いのない・直感的に操作できるUXを提供
新しい“面接日程調整体験”をタレントパレット内で実現
フェーズ 1
操作フローの確認
PMと密に連携しながら、まず現状の登録フローとデータが反映されるロジックを詳細に把握しました。
そのうえで、候補者側の入力から企業側のスケジュール登録までの一連のフローを可視化し、どの段階で情報の重複入力や確認作業が発生しているのかを洗い出しました。
その結果、「面接候補日取得」→「面接予定の追加」→「スケジュール自動反映」という一連の流れを最適化し、人事担当者が途中で作業に介入することなく、自動的にスケジュールへ反映される仕組みを構築しました。
登録
登録
登録
登録
面接候補日程取得
スケジュール
1(月)
13:00~14:00
2(火)
13:00~14:00
3(水)
13:00~14:00
4(木)
13:00~14:00
面接予定追加
面接日
面接時間
候補者
自動反映
自動登録
フェーズ 2
現状の面接日程調整フローを分析した結果、「候補者数の増加に伴い、画面上の情報量が急激に増える」という根本的な課題が判明しました。
候補者ごとに複数の面接希望日が登録されるため、
1画面に異なる候補者・異なる日程が混在し、“どの情報が今処理対象なのか”が非常に分かりづらい状態になっていました。
また、担当者側が実際の業務で行っている動きを観察すると、
今日は「◯日の調整を進めたい」
この候補者だけまとめて確認したい
面接官の空き時間と候補者の希望を見比べたい
というように、「日で見たいとき」と「候補者単位で見たいとき」が明確に分かれていることが分かりました。
面接候補日程取得
表示方法
候補者別
日別
フェーズ 3
要件まとめ
最終的に、PMとの議論と前期分析をもとに、今回の機能で必要となる要点を5つにまとめました。
フィルタリング機能⭐️
フォーム、表示方法、登録済み候補者の表示/非表示の切り替えによって、表示内容が動的に変化します。
候補日程の表示
提示された候補日程を一覧で確認できるようにし、「本日以降」のみが表示される仕様とします。
候補者の並び順
「回答日時が新しい順」および「候補日程順」に並ぶように設計します。
他候補日程の表示機能
「他候補日程を表示」ボタンを配置し、より多くの候補日程を確認できるようにします。
ログイン不要の回答機能
候補者はログイン不要で、専用URLにアクセスするだけで候補日を回答できるようにします。
フェーズ 4
マインドマップ
しかし、要件情報を検討する中で、私はある懸念を抱きました。特に、フィルタリングの切り替えによって画面の表示内容が動的に変化するため、それぞれの設定で異なる課題が発生するのではないかと感じたのです。
そこで、機能の複雑さをきちんと把握するために、私はマインドマップを用いて各ケースのロジックと潜在的な課題を徹底的に整理しました。
結果
「候補者別」表示モード
・ 1人の候補者が多数の日程を登録した場合のUI設計(情報過多への対応)
・ 候補者の「時間帯登録済」状態の可視化方法
「日別」表示モード
・ 同一時間帯に複数の候補者がいる場合のUI設計(情報過多への対応)
・ 候補者が時間帯を登録済であることを、氏名や登録ボタンの表示/非表示によって視覚的に伝えるUIの検討
・ 「他候補日程を表示」ボタン押下時の表示仕様に関するUI設計
・ 登録済の時間帯を変更する場合の操作フロー
最終デザイン
今回のデザインでは、以上の設計調査を踏まえ、ユーザー視点での使いやすさの向上を目指して設計を行いました。
特に「候補者別」と「日別」2つの表示オプションに焦点を当て、それぞれのデザイン意図と工夫について詳しくご説明します。
(一部の設定項目や手順は割愛しています)



❶ 面接者は、企業から提供されたリンクを通じて、直感的に最適な面接日時を選択できます。
選択された時間帯は、「選択中日程」エリアに自動的に追加されます。
全体のUIはシンプルで情報が整理されており、候補者が主要な情報をすぐに把握できるよう配慮。また、選択済の日程を明示することで、誤選択を防ぎやすくしています。
❷ 「送信」ボタンを押すと、選択内容を再確認するためのダイアログボックスが表示されます。
面接者による誤操作や誤った時間帯の選択を防ぐため、最終確認のステップを設けました。
❸ 企業側で設定された選択可能な時間帯の上限を超えた場合、警告メッセージが表示されます。
システム側で事前に制御し、ユーザーが上限を意識しながら選択できるようにすることで、スムーズな操作体験を提供します。
1
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候補者画面

❶ 本日以降の候補日を表示するため、以前の月を表示しないように非表示となってます。
❷ 1人が1つのフォームで1つの時間帯を登録済みの場合、残りの時間帯には氏名とボタンを非表示にします。
これは、「全候補日程を表示」ボタンを使えば他の時間帯も確認・変更できるため、日別モードでは各時間帯の状況を整理しやすくする目的で、他の時間帯の情報を一旦非表示にする設計としています。
❸ 企業側は「全候補日程を表示」から登録時間帯を調整可能です。
他の候補者の時間帯を確認しながら調整する必要があるため、「候補者別」モードでの表示調整では視認性が低下し、混乱を招く恐れがあることから、「日別」モードであれば、時間帯ごとの状況が一目で把握でき、誤操作も防げます。
❹ 同じ時間帯を重複して選択した場合はアラートが表示されます。
これは、時間帯や候補者数が多い場合でも、面接スケジュールを効率的に管理しやすくするための設計です。


2
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4
1
日別
候補者別


1
2
3
※大量データが表示される場合の折りたたみ動作は、「日別」モードと同様です。
❶ 1人の候補者が1つのフォームで時間帯を登録済みの場合、残りの時間帯の「登録」ボタンが非表示になります。
これは、候補者が登録した時間帯を一目で把握できるようにし、登録状況の管理をしやすくするとともに、重複登録を防ぐための対応です。
❷ 1人で大量の候補日程がある場合、デフォルトで最大5件までを表示し、それ以外は「他○件」ボタンに収納します。
テーブル内の情報過多を防ぎつつ、他の候補者の登録状況も確認しやすくするためです。
❸ 展開された情報は折りたたむことができますが、候補日程は10件を超えた場合はスクロールで表示します。
テーブル内の情報過多を防ぎつつ、他の候補者の登録状況も確認しやすくするためです。



「登録」を押下すると、日時と候補者は自動で挿入される。
「OK」を押下すると、スケジュールに登録される。
操作フロー
デザインの詳細
振り返り
今回の設計では、「まずロジックを整理してからデザインを考える」プロセスを徹底しました。
その結果、後工程での手戻りがほとんどなく、スムーズに実装につなげることができました。
この経験を通じて、“デザイン前の思考設計”の重要性を強く実感しました。
学び
@SHU GYOSEN Portfolio2025
xqianzhou88@gmail.com






